2009年5月23日土曜日

カイガラムシ


コチニール(別名カルミン)はカイガラムシ由来の色素
だということは、先日書きましたが、
うちの「ヨン」(という名前のシルクジャスミンの仲間の木
、正式名称は“ゲッキツ”月橘、ミカン科)の葉っぱや床が
べたべたして、甘露のようなものが付着していて、
何だろうと思っていろいろ調べたところ、
その粘着物質はカイガラムシの排泄物
だということがわかったのでした! (~_~;)

カイガラムシというものは
日本国内のものだけでも何と500種類以上も存在し、
世界中には何千種もいるそう。
今回うちのヨンについていたのは、
柑橘系を好む「ヒラタカタカイガラムシ」という子たち。
体長は1ミリ~3ミリ程度で、
どう見ても葉っぱや茎の一部
あるいはシミや汚れにしか見えない。


実際、移動は1時間に1ミリくらいしかできないとのこと。

子どものときはもう少し長い距離が移動できるそうですが、
大きさもおそらく1ミリ以下なので、移動できる距離はたがか知れてますね。
そしてなんと、このカイガラムシはメスだけで繁殖できるとのこと。
他のカイガラムシの場合は、たいていオスが羽を持っていて飛行ができるようです。

カイガラムシは、植物の茎や葉に長い口を刺して篩管液(しかんえき)を吸う
いわいる寄生虫で、なんと一度定着すると一生そこに定着したまま
まったく動かずに一生を終えるカイガラムシもいるそう。
ある意味、凄い一生!

カイガラムシ(介殻虫)はその名のとおり、
体がさまざまな殻で覆われていて、
中にはその殻がロウのような物質でできているものもあり、
さらには綿のように見える白いもので体全体が覆われているものもあって、
それに火をつけてみると本当に火が燃えた! 
という実験をしていたブログもありました。

私が春先に目黒の植物園で見た葦に付いていた、

綿のかたまり? 
花? 
何? 
と思ったものは、
実はこのカイガラムシだったのか!!!

と一人で感動。

この種のカイガラムシは定着型で、
いったん定着すると一生その場から動かないで
そこからその植物の液を吸うため、
どんどん自分の体が排泄物(あるいは分泌物)で覆われていって、
時間の経過とともにそれが団子状になり、
そうとは知らずにその塊を草や枝から採取して、
ためしに半分にカットしてみたら、
中には生きたカイガラムシが入っていた、
うおー!!! 

てな具合になるわけです。

中にはこの排泄物を「巣」などと呼んでいる人もいるようです。

で、うちのカイガラムシの排泄物ですが、
これが、ほぼ透明の液体で、なんとも樹液そっくりで、
何の知識もなくただ見たら、どうみても樹液と思ってしまいます。
まあ、もともとカイガラムシは草木の篩管液を吸って生きているわけだから、
その排泄物が樹液や汁液そっくりなのは、当然と言えば当然。

で、昔は、(もしからしたら今も?)そういったカイガラムシの排泄物を
アルコールで溶かしてトロトロにしたものを、
高級ギター(マーティンとか)やバイオリンなどといった
弦楽器の仕上げに使う塗料として使っていたそう。
シェラックと呼ばれているのがその塗料。
日本人の感覚だと漆塗りでしょうか。虫ですが・・・。

塗るとやわらかい感じの光沢が得られます。
シェラックはチョコレートのコーティングにも使われている場合があるというので、
ああ、昔よく食べたチョコボールの表面のツルツルね、と納得。

このシェラックを作るためのカイガラムシは、
うちのミクロなカイガラムシとは違って、
体が大きくて(1センチくらい)排泄物(体表から分泌される)も
コブのような大きな塊になるラックカイガラムシ。←(ここに写真が載っています。) 

うおー凄い! 
これぞまさに定着型の排泄物団子形成タイプのカイガラムシ! 

さて、ラッカーの語源はラックカイガラムシである、という解説もありました。
そして、このカイガラムシの排泄物は、
シェラックのみならず、
「ラック色素」という赤系の着色料としても利用されております。

ネット検索していたら、

「ラックとは古代インドのサンスクリット語で10万の意味に相当し、
きわめて小さな虫が無数に集まっている状態にちなんでこの名前がつけられた」、

「ラックという名称は、サンスクリット語やヒンディー語の10万という数が語源だそうで、これは虫が微小であるため、かぞえるのが困難だからということである」

という解説が書いてあったブログがありました。

ラック = lac ですか、なるほど。

そういえば、ラックカイガラムシと人間との関わりというのは蚕のそれと似ていますね。

もしかしたら、インドのクムクムの色づけもラックで? 
と思って調べてみたら、

「ウコン(ターメリック)に灰とミョウバンをまぶして素焼きの壷に入れて土中に埋めて数十日熟成させて赤くしたものがクムクム」


とのことでした。

というわけで、ベジ情報としてまとめますと、

・ 「コチニール」 = コチニールカイガラムシを潰して(←画像)
得る着色料、別名カルミン色素。

・ 「ラック」 = ラックカイガラムシの排泄物(←画像)
で作られる着色料、シェラック塗料としても使用される。


ラックカイガラムシもコチニールカイガラムシも
日本本土には生息していないためか、
両方を同じエンジムシという名前で呼ぶ場合もある。

ラック色素はカイガラムシ本体は傷つけることなく
周囲の排泄物だけを採取することも可能だが、
今は当然、商業ベースなのでそのような採取方法はとっていない。

てなこんなで、明日はヨンの植え替えをしま~す。

余談ですが、以前、タイの田舎の学校に3ヶ月ほど留学していたとき、
本当に日々というか一刻一刻が虫との戦いで、
人類の歴史すなわち虫との戦いの歴史なりなどと思ったものです。
東京に戻ってきて、なんて虫のいない国なんだろうといたく感激いたしました。
タイにはもちろん、人間が戦う必要のない、おっとりした平和的な虫もたくさんいました。

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